リュータ★ミュージック&ファンタジー

リュータ魂!

YouTube(リュータ /Game & Music Studios)をうp主がまじめに解説した裏ブログです

ゲーム実況動画「やるゲーム」「やらないゲーム」の差

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この記事のタイトルはTBSテレビ「この差って何ですか?」のパロディみたいなものですが、内容はかなり真面目なものです。

 

ぼくのYouTubeチャンネル「リュータ /Game & Music Studios」においても、コメント欄などでたまに「~~のゲームやらないんですか?」「~~やってください!」と言われることがあります。

 

ご期待いただくのは大変にありがたいことであり感謝しているのですが、なかなかお答えすることができないので、この場をもってその事情を書かせていただきます。

 

あらかじめ言わせていただくと「再生回数の取れるゲームを優先してやる」ということでは必ずしもないのです。まだすべては公表はできませんが、これからぼくが取り組もうと予定しているゲームの動画はいずれも再生回数で苦戦することを覚悟しているものばかりです。

 

逆に再生回数がとれそうでも「やらない」ゲームはあるわけです。

それでは…

 

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■ゲーム会社様のポリシーにつきまして…

やるゲーム→

一般プレイヤーの動画投稿へエールを送り、公式に感謝を表明しているゲーム

やらないゲーム→

動画編集の禁止ルールが多いゲーム

 

「は? ゲーム動画に感謝を表明してるゲーム会社なんてあるんか?」とお思いでしょう。あります。以下にその一部を紹介します。

 

任天堂株式会社様

 

任天堂は当社が創造するゲームやキャラクター、世界観に対して、お客様が真摯に情熱をもって向かい合っていただけることに感謝し、その体験が広く共有されることを応援したいと考えております。」

ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン|任天堂

 

■Mojang様(マインクラフトの制作会社)

 

「当社のすべてのゲームは、当社および当社のコミュニティにとって非常に重要です。つまり、多くのお客様が、当社ブランド、および当社のゲームに関連するものを使用してクールなことを行いたいと考えています。当社はこのことを喜ばしく思っています」

 

「お客様は、当社のゲームの映像を YouTube またはその他の Web サイトに投稿することができます。実のところ、当社はお客様がそうすることを希望しています。」

Mojang Account

 

もちろん、これらの会社はYouTubeニコニコ動画のクリエイター奨励プログラムなどで収益を得ることの許可を明文化しています。

 

またドラクエビルダーズシリーズに関しても、明文化はされていないものの、公式放送でプロデューサー様から動画投稿などのファンコミュニティにかなり前向きな発言をいただいております。

 

このように公式に表明してくださることは本当にほんとうにありがたく、安心してゲーム動画を面白くすることに専念できます。

 

ここでひとつ知っておいていただきたいことがあるのですが、それはYouTubeチャンネルは、視聴者のみなさまが想像しているよりも不安定で赤子のように弱く、ゲーム会社様が考えておられるよりも一本一本の動画を我が子のように大切に思っているということです。

 

ユーチューバーという人種はリスナーの方のことを大切に思っている人ほど、応援してくださる皆さまを不安にさせる情報を発信しないものです。けれども、その裏ではチャンネルを存続させるために、常に危機感をもって「守る」ための努力をしています。

 

そうした中で、繰り返しになりますがゲーム会社様が「応援」「感謝」を公式表明してくださることは大変な安心感につながり、その企業のゲームの動画を作りたくなるものなのです。

 

一方で「動画編集への禁止ルールが多いゲーム」とはどういうものでしょうか?

 

これは逆で、そのゲームの動画を作りたくなくなるものです。

 

動画とは、シナリオ、映像、音声、効果など、あらゆる表現技法の複合体であり、「面白い動画をめざす」ということは、それぞれの表現を追求し、有機的に結びつける大変に複雑な作業です。これが構成、編集というものです。

 

そうしたときに画像や音声の取り扱いで「これをしてはならない」「いけない」といったお達しがガイドラインに含まれていると、動画を作る側としては委縮(いしゅく)してしまって、はっきり言えばヤル気が無くなります。

 

そして動画のデキは納得のいかないもの、歯に衣着せたような中途半端なものにしか仕上がりません。これでは「できるだけ面白い動画をみてもらいたい」という、動画制作者の希望にもそぐわないものとなります。

 

実際にはゲーム会社様もガチガチに規約の順守を押し付けることはなく、ケースバイケースで判断してくださるとは思うのですが、前述のようにチャンネルはゲーム会社様の訴え一つで「吹けば飛ぶ」ものなので、鉄のよろいを着込むつもりで守らなければならない実情があります。

 

また、余談ですがチャンネルを「守る」という行為は、他の動画投稿者、配信者への動向、圧力にも常にアンテナを張ることも含まれています。

 

たとえばAというゲームがあり、他の動画投稿者、配信者の動画がゲーム会社様からの訴えで削除される事案が散見された場合、まず削除された理由を調査します。

 

そしてその削除理由がわからない場合、また推測される削除理由が動画制作者として首をかしげざるを得ない場合、そのゲームの動画を自分自身が投稿する際も「大変危険である」と判断するほかない事情もあります。

 

これは他の投稿者、配信者の方への迷惑にもなるので具体的に「どのゲームが」「誰が」といったことに触れられませんので、ご了承ください。

 

一言で言うと、一般動画投稿者とゲーム会社様の間には対話、協議、意思疎通の場がまったく存在しないので、お互いに過剰に防衛意識が働いているのだと思います。

 

そうした中、可能な限り動画制作者を信じ、表現の自由を認めてくださったゲーム会社様に感謝します。たいへん微力ながら、すこしでもゲームの楽しさ、素晴らしさを広めるお手伝いをさせていただければと考えております。

 

文化とは安寧の世であるからこそ、花開き、咲き乱れるものであります。信頼関係のある場にこそ、人は集まり、文化はより発展するものであると確信しています。

 

 

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■ゲーム性につきまして…

やるゲーム→

自由度が高く、プレイヤーの数だけドラマの生まれるゲーム

やらないゲーム→

与えられたストーリーをなぞるのが主で、誰がプレイしても結果に差がないゲーム

 

これは誤解してほしくないのですが、動画としてやらないゲームがイコール「つまらないゲーム」「時代遅れのゲーム」と言っているわけではありません。

 

ただ、誰がプレイしても映像、シナリオ、結果といずれも差の生じないタイプのゲームは、ぼくの動画に向かないということです。

 

この手のタイプのストーリー体験ゲームは、やや専門的には「ストーリードリブン」と呼ばれていて、基本的には任天堂様「以外」のJRPGなど日本のゲーム会社様が得意としているところです。

 

誰が動画を作っても同じ内容になりがちな以上、動画投稿が速く頻度が高い実況者様の独壇場であり、後発となる当チャンネルの席は無いと考えています。

 

ぼくのストーリー動画に期待してくださっている方には大変申し訳ないのですが、これも試行錯誤の上に身をもって導き出した結論であります。ごめんなさい。

 

またこのストーリードリブン型のゲームは前述の投稿動画に対するゲーム会社様の姿勢にも表れていて、ガイドラインで禁止事項が多くなり表現規制が強くかかる傾向にあります。

 

これはごく自然なことで、ストーリードリブンのゲームは「ゲームは映画と違ってインタラクティブ(双方向性)だ!」といくら言ったところで、企業様の用意された「出来上がった物語」であることには変わりはありません。

 

ゲーム機の性能が向上し、ゲームプレイの幅、ネットワーク性が格段に広がったゲームが氾濫する現在、このようなストーリードリブンなゲームの主体は、プレイヤー自身ではなくゲーム制作者(とくに監督)であるという見方もできます。

 

当然その用意された映像(シナリオ、音声、演出)をそのまま体験してほしいというゲーム制作者(=主体)の意志は強くなるのですから、これは批判ではなく、そういうものなのだと受け止めるほかありません。

 

 

反対に「~~クラフト」「~~ビルダー」「~~メーカー」といった作る系ゲームの類は、プレイヤーごとに新しい映像が生まれるといいますか、動画としての違いが際立つので、付加価値をだしやすいです。

 

これらのゲームは「ナラティブ」と専門的にはよべます。

 

ストーリードリブン型とナラティブ型はゲーム用語ではなく、どうやら企業のブランディング(企業のお客に向けたイメージ戦略)の場においても使われているようです。

 

signal.tokyo

 

上のブログではこう書かれています。

 

「いまは情報過多かつ生活者が企業の発する情報を厳しい目で見ている時代ですから、出来上がった物語を企業が用意すれば喜んで受け取ってもらえるわけではなくなってくるのも自然なことです。」

 

けっきょくのところ、任天堂様やマインクラフトは「ナラティブ型」のゲーム会社であるといえます。

 

一方で、「こういうご時世だからゲーム配信してもいいけど、できればゲーム中のセリフをそのまま棒読みする程度に抑えてほしい」という意識のにじみ出たガイドラインのゲームは「ストーリー型」なのでしょう。

 

どちらが良い言うことではなく、ぼくの動画制作、投稿スタイルからして、どう考えても「ナラティブ型」のゲームのほうが向いているので、そちらを優先的にやりたいというのが今の気持ちです。

 

次にぼくがアップする動画は「マリオメーカー2」になる予定です。

 

これはぼくにとって新しい試みであり、成功するかどうかはわかりませんし、未開拓のところからはじめるので再生回数もとれるとは思いませんが、それでも「ナラティブ型」のゲームを伝えるチャンネルとして新たな一歩を踏み出したいと思っています。

 

ゲーム動画投稿を認めてくださるゲーム会社様、そしてぼくの動画を楽しみに待っていてくださるリスナーの方々。いつも当チャンネルの活動にご理解いただき、ありがとうございます。

 

ゲーム文化の楽しさ、素晴らしさを共に広げていきたいです。これからもよろしくお願いします<(_ _)>